THE NEW WORLD
物語
完璧を求めたら岸壁に知らない間に立っていた
「実はこの程度の器なんだな」と今知った
理想を求めたら孤島にいる事に気が付いて
嘘で固めても予想通りにはまるでならなかった
生活に追われてた正確には答えなんかも出なくなった
情熱は今はもう消滅に近づいているみたいだ
夢の中だけのイメージが膨らんでしまって
とめどない僕の悲鳴がこの未来の人に
気付いてるだろうかこの想いを伝えよう
いつか届け
この声が嗄れる前に
君もそこで
耳をすましてるのだろう
追い風に打たれた旅人のように足音を止めない
どんな遠くても見えない場所でも探してみせる
いくつ季節が変わっていってもこの想いは色褪せない
いつか届け
この声が嗄れる前に
君もそこで
耳をすましてるのだろう
きっとふたり
まだ遮るものばかり
きっと今から
始まるさ
物語
flower
夢から覚めた時はぬくもりなんかじゃなく
呆れ顔の冷たい空瓶抱えてたけど
擦り切れた悲しみと思い出の古いギター
ケースに入れて胸にしまったら
君に出会った
今は並んだ二つの影が
長くなるまで消えるまで一緒にいられる
花びらちぎって占うことはしなくてもいい
君の手握ってスピード落として歩幅そろえて
君の寝顔で新しい歌が生まれ
聞こえそうな鼓動隠しながら夢の中へ
いつものように待ち合わせ当たり前に抱き合い
ぶつかりながら引き合いながらも僕が導く
恋は長すぎる靴ひもみたい
すぐ解けるけど切れないように結びなおして行こう
安らげる日々を噛締めるために感じるために
苦しかった日を胸ポケットから少し出しておこう
君との時間で試され傷ついて
土に戻るのならそれも悪くないと今は思う
笑い合う事もあきるくらいに僕らはなれる
笑い疲れて流した雫は薬指に咲く
君の重荷も半分僕が持つよ
花びらのようには僕らの絆は
ずっと散らない
きっと散らない
霧
膝を抱えて溜息ついて
何を考え何を見てるの
テレビに映るものは巻き戻しの過去
ありえない人が本当以上に美しく育っていく
君は動けなくなってる
川の水だって流れていないとすぐに
色が変わって泥に塗れて気付かれない
つまづいて転んで止まる
シャツのキャンバスが汚れても
払わないで眺めていれば
明日の地図にもなる
抱え持っていた大切な物を
踏み台にして遠くを見る勇気も必要
道に迷って
踵を擦り減らしながら霧の中も歩け
道も覚えられる
角を曲がって強い風が吹き付けても
目を閉じれば
湧き出している六弦の音が聴こえる
みずいろ
いつもひとりで泣いているのを僕は知っているよ
日常のカルキに蝕まれていても
閉じ込められるのは君のせいじゃない
水槽の向こうには温もりが待っている
高く大きな声で笑っていてよ
すぐわかるように
今日も夕日は恥ずかしそうに地平線に隠れようとしている
細い管に巻かれて泳げなくなっても
長い夢には僕がついていく
目を開けて前向いて諦めず信じなよ
ガラスの泡のように弾けるから
水槽の向こうには温もりが待っている
高く大きな声で笑う君を待っている
HIKARI
雷が近くで光った
気付けば部屋は暗かった
そんな鼓動だった
これは別れるための出会いなのか
傷だらけの絆だけを手さぐりでただ辿っていた
今夜も時計の針が重なるまで目を閉じれない
こわいほどに今夜は静かだ
虹のような君だった
でも僕はモノクロでシルエットだけ
一人乗りの地球は回る
記憶の海で目が回る
明日になれば今日の僕は昨日の僕になってくれるよ
雨で想い出は溶け出して
埋めた写真は顔を出す
太陽が射しこみ濡れた過去を乾かしてよみがえらしても
たとえ青空の中でだってまわりに取られないように
避雷針を持って
鼓動という光を待つ
ピアス
どのくらいたっただろう
髪で耳も隠れるくらいに伸ばしたりしている
あの頃針の痛みと引き換えにして
たくさんの物を手に入れた気がして
ピアスを誇らしげに笑ったのが懐かしい
このピアスの痕のように小さくなってくけど
消えることはないよ
もう今は忘れてて触ったり痛むこともないよ
「気付かなかった擦り傷みたいに
みつけると急に気になりだす」と君が僕を思い
苦しんだりするのを少しだけ願ってしまう
きっとピアスをもう一度寂しく思っても
つけることはないよ
明日会う人のため
この髪を切ることはあっても
遠回りで歩道橋をわたらない僕の信号も
青になるから振り返らずに歩く
君をおいて行っても
ピアスの痕のように小さくなってくけど
消えることはないよ
もし消えてなくなっても
しこりは無くならないのかな
君が針のように突き刺して
僕は痛みに苦しんだけど
新しい胸の痛みを楽しんで
抱きかかえているよ
そのくらいがすごく僕らしいだろ